サンクコスト(埋没費用)は、事業や投資において「すでに支払ってしまい、どのような意思決定をしても回収できない費用や時間」のことです。
最大の特徴は、その投資が失敗に終わった場合でも、過去の努力や費用を惜しんで撤退できず、さらなる損失を生んでしまう心理的傾向(サンクコスト効果/コンコルド効果)を招きやすい点です。
サンクコストの具体例
- ビジネス・投資: 新規事業開発のために費やした研究開発費、広告費、社内研修費、M&Aにおける買収調査費用。
- 日常生活: 映画館でつまらないと感じながらも、チケット代がもったいなくて最後まで見てしまう時間、ギャンブルで負けを取り戻そうとしてさらに賭けるお金。
サンクコスト効果(心理的罠)
「これまで投資してきたお金がもったいない」という心理が働き、本来なら撤退すべき不採算プロジェクトを継続してしまう現象
。行動経済学では「プロスペクト理論」に関連する心理的バイアスとされています。
サンクコストとは(おさらい)
サンクコストとは、すでに支払ってしまい、取り戻せないコストのことです。
- お金
- 時間
- 労力
本来、これらは未来の意思決定に影響すべきではありませんが、人はついこう考えてしまいます。
「ここまでやったんだから、やめるのはもったいない」
この心理が、次に説明する理論とも深く関係しています。
プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論とは、
人は「得すること」よりも「損すること」を強く嫌うという心理を説明した理論です。
ポイントはたった1つ
👉 人は損失を過剰に恐れる
例えば…
- 1万円もらえる喜び
- 1万円失う苦痛
この2つは同じ金額でも、失う苦痛の方が2倍以上強く感じると言われています。
その結果どうなるか?
この心理があると、人はこう行動します👇
- 損を確定させたくない
- 「まだ戻るかも」と期待する
- 非合理な継続を選ぶ
つまり、損失回避のために、さらに損を広げるという矛盾した行動をとってしまうのです。
コンコルドの誤りとは?
コンコルドの誤りとは、
すでに多くのコストをかけたことを理由に、合理的でない判断を続けてしまうことです。
名前の由来は、イギリスとフランスが開発した超音速旅客機「コンコルド」。
なぜ誤りと呼ばれるのか?
コンコルドは開発途中で
- 採算が取れない
- 赤字になる
と分かっていました。
それでも開発は続行されました。
理由はシンプルです👇
「ここまで投資したのだから、やめられない」
結果として、損失はさらに拡大しました。
3つの関係を整理すると
| 概念 | 内容 | 本質 |
|---|---|---|
| サンクコスト | すでに失ったコスト | 無視すべきもの |
| プロスペクト理論 | 損失を過剰に嫌う心理 | 人間の本能 |
| コンコルドの誤り | サンクコストに縛られた意思決定 | 行動の失敗 |
日常でよくある例
この3つは、実は身近なところで起きています。
投資
- 含み損の株を売れない
- 「戻るまで待つ」と塩漬け
仕事
- 失敗プロジェクトを続ける
- 「ここまでやったからやめられない」
人間関係
- 合わない関係を続ける
- 「これまでの時間が無駄になる」
どうすれば避けられるか?
シンプルですが、とても重要な考え方です。
判断基準を変える
❌ 過去にいくら使ったか
⭕ これからリターンがあるか
自分にこう問いかける
「今ゼロから考えたら、この選択をするか?」
この問いに「NO」なら、やめるべきサインです。
サンクコストの考え方(意思決定のコツ)
賢明な意思決定を行うためには、以下の視点が必要です。
- 「今この瞬間」からの未来を見る: 過去の費用は一旦忘れ、これからお金や時間を追加投入することで「将来得られる利益」があるかどうかだけで判断する。
- オポチュニティコスト(機会費用)を意識する: 今の事業に固執することで、他の有望な事業に投資するチャンスを逃していないか検討する。
- 撤退基準を決めておく: 事業開始前に「〇〇円損失が出たら撤退する」といったルールを事前に設ける。
サンクコストと機会費用の違い
- サンクコスト: 過去に支払った費用(埋没費用)。
- 機会費用(オポチュニティコスト): ある選択肢を選んだことで、得られなくなった利益。
まとめ
- サンクコストは「取り戻せない過去」
- プロスペクト理論は「損したくない心理」
- コンコルドの誤りは「その結果の失敗行動」
そして最も大切なのは👇
👉 判断は常に「未来ベース」で考えること





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