スポンサーリンク
ロバート・ウォルターズ ブライトマッチ USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス machicon JAPAN

株式の希薄化とは何か

Pocket


株式の希薄化とは、会社が新しく株を発行することで、1株あたりの価値が相対的に下がる現象を指します。
たとえば、株の枚数が増えると、1人分の取り分が小さくなるイメージです。

企業にとって増資は資金を集めるための重要な方法ですが、株主側から見ると「持っている株の価値が薄まる」可能性があります。そのため、希薄化は株価の下落につながることもあり、必ずしも歓迎されるものではありません。


増資=悪いこと、とは限らない

ただし、すべての増資がマイナスになるわけではありません。
集めたお金を使って設備投資をしたり、新しい事業を始めたり、企業買収を行うなど、将来の成長につながる目的であれば、むしろ株価が上がるケースもあります。

重要なのは、「なぜお金が必要なのか」「それで会社はどう良くなるのか」を、会社がきちんと説明できるかどうかです。


希薄化と関係が深い「第三者割当増資」

株式の希薄化が起きやすい場面の一つが、第三者割当増資です。

これは、会社が特定の相手(取引先や支援企業など)を決めて、新しい株を発行する方法です。
一般の株主全員に平等に配るのではなく、「この人に引き受けてもらう」と相手を指定します。

この方法は、短期間で資金を集めたいときや、特定の企業と関係を深めたいときによく使われます。


なぜ第三者割当増資で希薄化が起きるのか

新しい株を発行すると、会社全体の株の枚数が増えます。
すると、もともと持っていた株が占める割合は小さくなります。

もし、すべての株主が同じ割合で新株をもらえれば影響は少ないですが、
第三者割当増資では「特定の相手だけ」が株を増やします。

その結果、既存株主の持ち分は相対的に減り、
・1株あたりの利益
・議決権の割合
が小さくなってしまうのです。


株主にとっての主なリスク

1株あたりの利益が減る

1株あたりの利益は「EPS」と呼ばれます。

EPS=会社の利益 ÷ 株の総数

新しい株が増えると分母が大きくなるため、EPSは下がります。
EPSが下がると、株の魅力が弱まり、株価が下落することもあります。


経営への影響力が弱まる

株を持つと、株主総会で投票する権利(議決権)があります。
持ち株の割合が高いほど、会社の方針に影響を与えやすくなります。

しかし、増資で株の総数が増えると、同じ株数を持っていても「割合」は下がります。
結果として、発言力が小さくなってしまいます。


希薄化率の考え方

どのくらい薄まるのかは、数値で表せます。

希薄化率=新しく発行する株数 ÷ もともとの株数 × 100

例:
株が1万株あった会社が、2,000株増やした場合
→ 2,000 ÷ 10,000 ×100=20%

つまり、20%分、株が薄まったと考えます。


過度な希薄化を防ぐルール

日本の市場では、第三者割当増資に対して一定の歯止めがあります。

希薄化率25%を超える場合

→ 株主の同意を取るか、外部の専門家の意見が必要

希薄化率300%を超える場合

→ 原則として認められない
(例外的に市場が認めた場合のみ可能)

これは、既存の株主を守るためのルールです。


会社側が気をつけるべきポイント

増資の目的をきちんと説明する

「なぜお金が必要なのか」「何に使うのか」「将来どう成長するのか」
これを具体的に示せれば、株主の不安は小さくなります。

短期的には1株の価値が下がっても、
長期的に会社が成長すれば、結果的に株主にもプラスになります。


経営陣の持ち株比率を守る

増資をすると、経営者の持ち株割合も下がります。
これが下がりすぎると、会社の意思決定が不安定になります。

そのため、
・事前に資本計画を立てる
・他の資金調達方法も検討する
といった工夫が必要です。


実際の企業事例(概要)

● 経営危機にあった外食チェーン
→ 大規模な増資で資金を集め、債務超過を解消
→ 再建に向けて事業を立て直し中

● 化学メーカー
→ 取引先企業に新株を引き受けてもらい、関係を強化
→ 共同開発や収益改善を目指す体制へ

このように、希薄化はマイナス面もありますが、
使い方次第で「会社を立て直す手段」にもなります。


まとめ

株式の希薄化とは、
株が増えることで1株の価値や影響力が小さくなる現象です。

特に第三者割当増資では、
・1株あたりの利益が減る
・議決権の割合が下がる
といった影響が出やすくなります。

一方で、
・成長投資
・経営再建
・提携強化
といった目的が明確なら、株価が上がることもあります。

大切なのは、
✔ 目的が合理的か
✔ 株主に説明されているか
✔ 希薄化が行き過ぎていないか

この3点を理解して見ることです。

株式の希薄化は「危険な現象」ではなく、
使い方次第で薬にも毒にもなる仕組みだと言えるでしょう。


USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス

コメント

タイトルとURLをコピーしました