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USCPA取得後の転職キャリア②監査法人どうなの?職場環境編

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はじめに

今日は監査法人の職場環境(監査職)について語ります。
アドバイザリーはしらん。

監査法人と全体化して書いてますが
監査法人は部署やチームによってかなり環境違うので1つの意見としてお楽しみください。

それでは張り切っていきましょう( ´ ▽ ` )ノ

入社してからを簡単に振り返ります。

入社して2週間

ひたすら研修。コロナの影響もあり、オンラインで1人で黙々と受けます。
研修受けてお給料もらえるのでeasy go easy life♪

1月中旬~2月中旬

第三四半期レビューがあり、バタバタ。
右も左も分からないのに、あれやって、これやって、と作業を振られる。
進捗会議で進捗報告できずにいたら
「早く終わらせてください(# ゚Д゚)」
みたいな厳しいことを言われてストレスがたまる。というかこの職場でやっていけるか不安になる。

当時の心境は以下の通り。

※色々頑張る主婦さんはUSCPA界隈のレジェンドです。僕の知る限り、4科目スコア総合で最高得点です。

相当に病んでますね。
いやーきつかった。
今思い返すと会計知識ってのは厳密にいうと間違いで
知識というよりクライアントの作成したデータの見方が分からないって感じですな。

進捗で報告できなかったというのは「あとどのくらいで終わるのかの目途報告ができなかった」
ことなのですが・・・
無論、僕は入社したばかりの新人かつ初めての調書作成なので
どのくらいで終わるかなんて分かるわけもなく。。。。
僕に厳しい口調だったこの*IC(インチャージ)も普段は穏やかな人なのですが
繁忙期はみんな余裕なくて狂暴化するというのは監査法人の一種の醍醐味なのかもしれませんね。

なーんてね

醍醐味と呼べるほど楽しくない(;´Д`) 怒られても流すのが大切ですね。
以下の記事、何回も読みかえしたよ笑

*インチャージ:現場責任者。
なぜインチャージと呼ぶのかは不明。英語のin chargeってこと?
でも監査意見ミスって責任とるのはマネージャー以上なんだから、in chargeの責任者ってのはやや違う気も。。。
クライアントとのやりとり含め、監査に係る一連の流れ・作業を管理・監督して監査というプロジェクトをリードするプロジェクトマネージャー(以下、プロマネ)のような存在。
自分でも調書を更新しながら各スタッフに作業を振り、進捗を把握して、然るべき手続きを終わらせるためのタスク管理しなきゃいけないので相当に大変。
ただ、事業会社やITのプロマネと違って予算や工数に責任は負ってないので大変さの性質は違う。
特に数字(売り上げや利益)に責任は持ってないのが特徴ですね。

監査法人のキャリアマイルストーンの1つに(いや、これが全てか?)インチャージがあり
インチャージ経験の有・無で会計士としてのキャリアには天地の差があるでしょう。
つまり、やれbig4勤務だ、やれ公認会計士だと言ってもIC経験ない人は間違いなくイキりです😇
ICも子会社や小さい会社担当なのか、はたまた一部上場企業担当なのかで難易度やスキルも全然異なります。やぱ”一部上場の大企業”のICやってる人は出世早いようです。今は一部じゃなくてプライムですかね。

なお、日本の公認会計士は試験に受かっただけじゃ公認会計士と名乗れないようで
実務経験2年+補修所に3年通って必要な単位取得+終了考査(試験)に合格
の3要件を満たして初めて公認会計士と名乗れるようです(名刺に印刷できたり、開業とかできる)。
要件あってますかね?詳しくは僕も知らないので、気になる人は自分で調べてください。

何が言いたいかといいますと
試験合格者と聞くだけで国家資格だし「すげー!!!」となりがちですが
実務経験のありなしで、パフォーマンス、発言内容の重みや知識の深さは全然異なるということです(当たり前)。
逆にいうと、パフォーマンスが大したことなくても試験合格だけでも周りからは先生呼ばわりされ
はったりかませるという点では日本の国家資格の強さ、特権とも言えますね。

2月中旬-4月中旬

四半期レビュー終わってからは内部統制関連の調書作成だったり、色んなアサインを回る感じでしたね。
調書作成も慣れたので、特に不満・プレッシャーはなく仕事してました。
プライベートではポンペイ子ちゃんとデートしたり↓

彼女できたり↓そこそこ充実してましたね。

初めての繁忙期(4月中旬-8月初旬)

4月中旬-8月初旬。
期末監査からの四半期レビューで忙しかったですね。
仕事しかしてなかったです(笑)
大変だったとは思いますが、終わってしまえば、あっという間でしたね。
ただ、寝る時間以外仕事みたいな日がそこそこあるのでストレスも感じていた模様。
まぁ、辞めたいとかそういうのはなかったですね。

8月初旬以降と夏休み

8月初旬以降は完全に閑散期です。
人によってまちまちですが、2-3週間の休みがとれたり。
役職が上になると2-3週間は厳しいと思いますが、それでも7-10日間くらいは休めるんじゃないかな?
スタッフ-シニアのうちは完全にオフできるかと。
で、夏休み明けから9月ですがこの時期も閑散期なので仕事はそこまで忙しくないです。
大きな会社のICとかマネージャーだと相変わらず忙しいようですが
下の役職はそこまでです。まったりできます。これから中間監査でまた忙しくなるんだけども。。。

労働時間について

監査法人の労働時間について語ります。
まず、監査法人は所定労働時間が1日7時間です。なので7時間を超えると残業代が出ます。
例えば日本のメーカーは1日8時間労働が多いので週5日間×4週間でみると一か月で残業時間に20時間の差がでます。
なので、残業時間だけでみてしまうと単純に比較できないので36協定で計算したいと思います。

※以下は36協定計算の残業時間です。
1月は研修があったので、さておき
2-3月は月30時間、4月は45時間、5月は80時間、6月は50時間、7月は45時間って感じですね。
1年目のインチャージなしでこれなので、ワークライフバランスは皆無ですね(笑)
まぁ、予算潤沢で人員たくさんのチームに入ればもうちょい楽なんでしょうけど
僕の場合はこんな感じです。
一か月で月20時間の残業差がでるので、お給料は間違いなく一般的なメーカーよりいいです!!

5月の残業時間はそこそこいったので、以下記事で書いたコジコジの気持ちが分かった気がします(笑)

もちろん、外銀、コンサルなんかは年中繁忙期みたいなかんじで
彼等にしたら監査法人の労働時間なんてホワイトそのもので「何が大変なの?」って失笑ものなんでしょうが、メーカー勤務の人からしたら「ドヒャー🤮」って感じです。

なお、*MBB勤務の知人の話を聞くと毎月100時間(36計算)は余裕で超えるとのことです。
毎月です。笑います🤣
*MBB:マッキンゼー、ボストンコンサルティング、ベインの頭文字。
コンサル界隈ではMBBの壁と呼ばれており、この3社と他コンサルでは天地の差があるとかないとか・・・

毎日定時で帰りたい勢の僕としては、平日に予定入れらないのはストレスでしたねー

仕事内容

監査経験がない人は監査法人何やってるの?って感じだと思うので
監査法人の若手の仕事を以下に書いておきます。主に3つです。

  • 1 調書、AR、rep作成および開示チェック
  • 2 社内アドミ
  • 3 社外アドミ

※アドミ:アドミニストレーションの略。管理業務全般。

まず1から。これが監査職のメインかつ意味のある仕事です。
正直、2と3のアドミはキャリアという観点ではどうでもいいし意味ないです

調書作成

入社する前に色んな人のブログ読み漁って調書という単語を耳にしましたが
実際に仕事するまで何のことかわかりませんでした。
正直USCPAの勉強しても実務やらないと調書が何かはわからなくないですか?
や、断言していい。監査職につかないと分からないよ。。。なので僕が解説します。

結論からいうと調書とはお客さんからデータ・資料をもらって内部統制の有効性だったり各勘定科目のアサーション(existence とかaccuracyとか)を検証し確かめて文書化したものです。

なので、調書のフォーマットはほぼエクセルです。
お客さんのデータから数字を拾って集計・加工するのでエクセルの式が大活躍です。
この部分が以下記事(僕の入社前のバイブル)で書いてあるエクセルが微妙だとダメなやつって思われる要因ですね。。。
僕は苦労しました(;´Д`)

AUDで勉強したとおり監査手続きは
重要性の基準値→内部統制の有効性評価→実証手続き→監査意見という流れです。

監査法人のナレッジ&方針(監査体系)で業界・業種ごとに重要性の基準値の算定基準があり、
まず重要性の基準値を算出します。
で、内部統制の有効性を確かめ(これは座学でもあったとおり過年度の実績も考慮)
それに基づき実証手続きを行うと。

お客さん毎にリスクの高い勘定科目、低い勘定科目があるのでリスクの高い勘定科目は手続きが多く、リスクの低い科目は手続きが少ない or 無かったりといった感じです。
各流れに沿ってワードなりエクセルなりで調書があり、スタッフがそれをゴリゴリ更新して
マネージャーやパートナーがそれをレビューして、問題なければ監査意見が出るという、そういう流れです。

無論、座学では問題があるパターンがありましたが、実務だと問題があっては困るので今のところ問題があるケースには遭遇したことがないです。
僕は継続企業の前提に疑義が生じている会社や重大なミスがある企業にあたっていないので
こういう問題のある会社にあたると色々大変かもです。

さて、具体的な作業ですが
まずお客さんから*計算書類の作成の元となるデータをもらって
監査法人側でそのデータを加工して再計算したりあるいは別の証票をもらって数字の突合します。
どこの数字をどう確かめましたというのをエクセル上に印をつけて、結論を書くまでが調書作成の流れです。結論は「異常はなかった」とか「問題はないものと判断する」とか。
内部統制検証の場合は押印チェックとかそういう類になります。

*計算書類:会社法上の呼び方。金商法では財務諸表となる。以下抜粋。参考までに。


会社法第四百三十五条
株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

金商法第百九十三条(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
第一条で右記の記載あり:貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書(これらの財務書類に相当するものであつて、指定法人の作成するもの及び第二条の二に規定する特定信託財産について作成するものを含む。以下同じ。)


他の人のブログで「前期調書を見ろ」って言葉出てきますけど
これは前期の通りに集計して同様に手続きしたら、大体前期と同じになるよね?って話です。
*客先のデータフォーマットや証票はシステムのアップデートとか変更がない限り基本的に毎期一緒です。
なので何をやるかの手続きが記載された前期調書を見ながら当期のデータに更新しなおして
もし前期と大幅に違うなら、新規取引なのか、はたまたミス・エラーなのか、こちらのデータ集計が間違っているのかなどなど色々確認しなきゃいけないわけです。
なお、「前期調書を見ろ」で一番イライラするのが以下です。

・前期調書の手続きがよく分からない(手順の書き方が悪い)
・データの抽出方法がいけてない
(エクセルの式ではなく数字のベタ打ち⇒どこから何の数字をとってきたのか分からない)
・そもそも参照すべきクライアントの資料・データが書いてない

監査法人のいいところでもあり、悪いところでもあるのが各チーム、メンバーが流動的なので
前期担当者がチームにいない!他部署に移動しました!退職しました(;´Д`)
などで聞ける人がいないというケースが多々あります。。。
こういう場合は何とか頼れる人を探して調書を形にしましょう。
ここで、人とコミュニケーションとるのが苦手で一人で悩んで作業進まなかったり
黙ってエイヤーでやっちゃう人は、あまりよろしくないですね(笑)

J or US問わず、というか監査法人に限らず、組織に入って仕事する上で、分からないときは素直に聞く、正直になる、人に頼るといったコミュニケーションスキルは大事ですよね。
これは僕の私見なんですけど、Jの若手はプライド高いのかダマでエイヤーでやってる人が多い気が。。。

AR, rep作成および開示チェック

USは会社法、金商法勉強してないので入ってから勉強しなきゃいけないのですが
基本的に有価証券を発行する会社(つまり上場会社)は金商法&会社法の適用で、それ以外は会社法のみの適用です。

基本的にと書いたのは上場してなくても、有報出している会社もあって(サントリーとか)
上場=有報というわけでもないという。。。
サントリーは社債発行してるからなのかな?
有価証券の発行とは何も株券だけでなく、社債も含まれるようです(金商法の定義参照)。
※会社法では第四百三十六条で監査を受けなければならない会社とその旨が書いてある。
※金商法では第二十四条で有報を提出しなきゃいけない会社が記載されていて、第百九十三条の二条で要監査の旨が記載されている。

実務では計算書類等(会社法)・財務諸表等(金商法)の監査がセットになっているクライアントが多く
計算書類等の監査(実証手続き)で数字が固まるので金商法ではBS, PL等の数字検証は会社法でやってるので、会社法で作成した調書を併用して、金商法用に足りない部分は補い、有報を検証するという流れになります。

他の方のブログで開示チェック、開示チェックと耳にしてましたが
開示チェックとは?はて?なんぞや🧐となっておりました。
これも実務やらないと分からないと思うので、解説します。

計算書類等、財務諸表等(有報の経理の状況に載る)は株主に提出したり、公表したりするので
監査法人がチェックして数字はもちろん、注記だったり、表記の仕方が法律・規則に基づいているのかを確かめる必要があります。
会社の開示が正しいかを確かめる、だから開示チェック( ´ ▽ ` )ノ
えっ?違うの?あってるよね?間違ってたらすみません。。。

以下のように布令があって、基準があります。

財務諸表等の監査証明に関する内閣府令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332M50000040012_20211122_503M60000002069

企業会計基準
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards.html

基準だけだと、実務はどうなる?みたいなケースがあるので
実務ではどうするみたいな指針があります。

監査基準委員会報告書
https://jicpa.or.jp/specialized_field/publication/report/

会計監査六法にはこうした法律、規則、実務指針がまとめられてます。
なので会計士は六法を参照しながら、調書を作成していくと。
数字の検証よりも新しい取引が発生したときの会計処理の妥当性検証だったり、会社から事前に相談相談うけたり、注記の書き方とかそういうのがとても難しいと思います。
無論、若手はこうした作業はやらないですが、もう会計マンにならないと対応できんですよ。。。

開示チェック自体は基本的に実証手続きで作った調書と照らし合わせて検証するので確認作業がメインでそこまで難しくないですが、稀に開示チェック用に新しく調書作成しなきゃいけなかったりするので、それにあたると涙目でしたね。。。

なお、実証手続きで担当する調書はICがまともな人だと、ちゃんと担当者のレベルに応じた内容になるはずです。まともじゃないと、どうなるんだろ?笑

AR, rep letterは基本的な文言は毎期一緒ですが、
毎年毎年、基準改正とか追加対応とかでフォーマット変わったりするので
微妙に文言修正したり、また会社法と金商法で文言が異なるので(計算書類等⇒財務諸表等など)
そうした細かい文言チェックがあり、AR(監査意見報告書)やrep letter(Representation Letter:経営者確認書)の作成なんかも若手の仕事としてあります。

社内アドミ

これはその名の通り、社内業務ですね。主に調書整理ですね。作った調書を保管するわけなんですが。
おそらく各法人、システム上にエクセル貼り付けて電子で管理したり、印刷して紙ベースで管理したり色々あると思います。
まぁ、これについてはその会社でしか活きてこないスキルかつ本当にアドミなので
やらなきゃいけない仕事ではあるものの、僕自身は興味がないです、はい(笑)
調書整理は成果物管理なので大事ですよ。だから法人として大事だし、やらなきゃいけないですよ。
でも、監査職辞めたらと思うと。。ね?

JCPAの人だとリクルーターとか、ICやると社内会議とか、アドミタスクが色々増えるようです。。。

社外アドミ

これは文字通り、クライアントとの資料のやり取りとか、往査のスケジュール調整とか諸々ですね。
まぁ、ビジネスパーソンとしての一般的なとこなので特筆すべき事項は特になしです。

総括

監査法人の監査職は季節労働でオンオフあるので、働きやすいと言えば働きやすいですが
仕事自体はけっこう大変だと思います。
特に繁忙期の調書作成で自分のタスクをきっちり終わらせなきゃいけないというのはプレッシャーでストレスかかりますし、年次があがるごとにワークライフバランスは悪化の一途をたどるという点(それに比例して給料はあがらない)で余程の会計マンとか会計士として自分の進むべき道が見えてる人じゃないと長くはいれない環境というのが率直な感想です。

なお、出来なくてもいいやとか、プレッシャーを感じないメンタルが強い人は出世こそできなくても
クビにはならずに割と幸せかもしれません。
まぁ、監査法人に限らず、どこの会社でもそうだけど他社からの言葉や視線に不感になり
鉄のメンタルの人が最終的に生き残れるのかもしれません。

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