近年、マンション価格の高騰がニュースでよく取り上げられていますが、実はもう一つの“見逃せない出費”が増えています。
それが「管理費」や「修繕積立金」といったマンションの維持費です。
ローンを組んでようやく購入しても、毎月かかるこの維持費が家計を圧迫し、将来的に「維持費地獄」に陥るケースが増えています。金利上昇以上に負担が重くなる可能性もあり、今後マンション購入を考える人にとっては注意が必要です。
新築マンションの維持費は月6~10万円が当たり前に
以前は、70㎡ほどのファミリー向けマンションであれば、管理費と修繕積立金を合わせて月2万円台というのが一般的でした。
しかし最近は、1㎡あたり600~1000円以上という設定も珍しくありません。
たとえば70㎡の物件なら、単純計算で月4万〜7万円。
さらにこれに固定資産税や火災・地震保険料などを加えると、月6〜8万円。
駐車場代を含めれば、10万円を超えることも珍しくないのです。
つまり、ローンの支払いとは別に“家賃並みの維持費”が発生するというのが、今の新築マンションの実情です。
維持費がここまで上がった2つの理由
物価・人件費の上昇
マンションの管理人や清掃員など、人手が必要な仕事の人件費が上がっています。
以前はシニア層の働き口として人気がありましたが、近年は他業種でも人手不足が進み、応募が減少。
人を確保するために賃金を上げざるを得ず、その分が管理費に反映されています。
高価格マンションの増加と高級志向
マンション価格が上がると、購入者はそれに見合ったサービスや設備を求める傾向があります。
コンシェルジュ、ジム、ラウンジなど豪華な共用施設を維持するには、当然コストがかかります。
これも維持費上昇の大きな要因です。
背景にある業界の構造的な問題
実は、古いマンションでは契約上、管理費を簡単に値上げできない仕組みがあります。
そのため管理会社は、赤字分を新築マンションの管理費に上乗せして利益を確保している面もあります。
つまり、新しい物件ほど維持費が高いという傾向が生まれているのです。
もちろん、既存のマンションも例外ではありません。契約更新のタイミングで「人件費や物価上昇」を理由に、管理費の値上げが進む可能性は高いと見られます。
これからマンションを買う人が意識すべきこと
ローンの返済額だけでなく、維持費を含めた「総支出」をシミュレーションすること。
共用設備が多いマンションほど維持費が高くなりやすいことを理解する。
長期的に修繕費が上がる前提で、家計に余裕を持たせること。
「買える」かどうかではなく、「持ち続けられるかどうか」を考えることが、これからの住まい選びには欠かせません。





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