投資では常識となっている「ヘッジあり・なし」の基本知識
海外資産への投資が当たり前になった今、為替の影響をどう考えるかは、多くの投資家にとって重要なポイントです。特に米国投資が一般的になったことで、為替リスクや為替ヘッジは、もはや“知っておくべき基本常識”といえる存在になっています。ここでは、為替リスクとは何か、そして為替ヘッジをどう使い分ければよいのかを、一般的な考え方としてまとめます。
投資で避けられない「為替リスク」とは
海外では日本円以外の通貨が使われています。米ドル、ユーロ、ポンドなど国ごとに通貨が異なるため、外国資産への投資には必ず為替レートの変動がつきまといます。
為替レートは日々動いており、その変動によって資産の価値が円換算で増えたり減ったりします。たとえば、過去5年でドル円相場は約105円から150円へと大きく円安が進みました。この間に米国資産を保有していた人は、仮に資産価格が変わらなくても、円換算では大きな利益が出たことになります。
ただし、これと同じ規模の変動が今後は反対方向に起き、円高によって資産価値が下がる可能性も十分あります。過去に大きな変動があったということは、今後の値動き幅も大きくなり得るというのが一般的な考え方です。
為替ヘッジは“為替変動を抑える仕組み”
為替ヘッジとは、為替レートの変動が運用成果に与える影響を小さくするための手法です。言い換えれば、為替リスクを“あらかじめ回避する”ためのものです。
ただし、ヘッジには「ヘッジコスト」という費用がかかります。これは主に通貨同士の金利差で決まり、日本のように金利が低い国から、金利の高い通貨に投資する場合、ヘッジを行うとその金利差分を支払う必要が出てきます。そのため、ヘッジをかけると為替リスクは抑えられても、結果的にリターンが減る可能性がある点は広く知られています。
ヘッジあり・なしは「資金の使い道」で決めるのが一般的
「為替は上がりそうか下がりそうか」を予想して判断しようとする人もいますが、専門家でも為替を正確に予測するのは困難です。そのため、世間一般では “お金の使い道” と “使う時期” を軸に判断する 方法が主流となっています。
●近い将来に使う予定のあるお金
（例：数年後の学費、住宅購入の資金）
→ 大きな値動きを避けるため、為替ヘッジありが適していると考えられます。
老後資金など、長期で育てたいお金
（投資期間20〜30年以上）
→ 値動きも取り込みながら成長を狙うため、
ヘッジなしも一般的な選択肢です。
これは、長期投資では為替がプラスに働くことも多く、短期の変動を過度に気にしない方が良いという考えに基づいています。
自分の“リスク許容度”でも選び方は変わる
一般的な考え方として、心理的な面も無視できません。
- 為替レートが毎日動くのを見ると不安になる
→ ヘッジありが安心 - リスクを取ってでもリターンを追求したい
→ ヘッジなしも十分に選択肢
投資は長く続けることが大事であり、自分が安心して持ち続けられる方法を選ぶことが常識的な判断とされています。
最後に：予想よりも「目的」を優先するのが基本
為替の動きを当てようとするより、
そのお金をいつ・何のために使うのか
自分はどの程度の値動きに耐えられるか
これを基準に選ぶのが、世間一般で広く支持されている考え方です。
同じ100万円でも、使い道が違えば最適な運用は変わります。
自分の目的に合った判断が、安定した資産形成には欠かせません。
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