適切な資源ごみ分別の基本と注意点
私たちが日々出すゴミの中で、段ボールや古紙は大きな割合を占める重要な「資源ごみ」です。リサイクルのために正しく分別することは環境負荷の低減につながりますが、「段ボールの金具は外すべき?」「ビニールやプラスチックはどう扱う?」といった疑問は多くの人が抱いています。
ここでは、日本の一般的な資源ごみ分別ルールを基に、段ボールや古紙の正しい出し方をわかりやすく解説します。なお、自治体によって細かいルールは異なるので、最終的にはお住まいの市区町村の指示を確認してください。
段ボールの基本的な取り扱い
段ボールは資源ごみとして扱う
段ボール箱や厚紙は、古紙としてリサイクルされる代表的な資源ごみです。多くの自治体では、
- 段ボール(Corrugated cardboard boxes)
- 新聞、雑誌、その他の紙類
といった紙類を「古紙・資源ごみ」として別の日に収集しています。
段ボールは、折りたたんで平らにし、ひもでまとめて出すのが基本です。自治体によっては、ひもで十字に固定するよう指定されている場合もあります。
金具・ホチキスは外すべき?
「外さなくてよい」ケースが多い
段ボールに付いたホチキスや金具は、基本的には外さなくてもよいとされている自治体が多いです。これは、古紙回収後のリサイクル工程で異物を取り除く機械があるためです。金属類は、古紙を細かく砕いた後の工程で分離されます。
同様に、書類に付いた小さなホチキス針も、一般的には外さずに古紙として出して問題ありません。
外すべきもの・取り除きたいもの
プラスチックやビニール類
段ボールや古紙のリサイクルで大きな問題になるのは、プラスチック部品やビニール類の混入です。雑誌についているDVD、サンプル品、透明の封筒などは、紙と分離できないことが多く、同じ資源ごみとしては出せないケースがあります。
自治体のガイドでも、「段ボールは紙以外のものを取り除いてから出す」と明記されていることが多く、ビニール・プラスチックは別のカテゴリー(プラスチックごみ等)で出す必要があります。
リサイクルの現場で起きること
古紙回収後、リサイクル施設ではいくつかの段階を経て処理が行われます。段ボールはまず細かく砕かれ、分離機で金属や異物を取り除き、紙の繊維だけが再利用へ回ります。つまり、多少の小さな金属が混ざっていても、最終的に除去されますが、プラスチックは紙と絡みついたり、分離が難しい場合があります。
古紙として出せない紙類
素材の複合加工された紙
すべての紙がリサイクルできるわけではありません。たとえば、
- 表面がプラスチックでコーティングされた紙(PP加工)
- 内側がアルミや銀色の加工がされた紙パック(豆乳やジュースパック)
などは分離が難しく、自治体によっては古紙として扱えない場合があります。
PP加工紙は水に入れるとプラスチック部分が浮くため比較的分離しやすいとされていますが、アルミ加工紙は紙と同じように沈むため、取り除くのが難しいとされています。
汚れた段ボールはどうする?
段ボールは多少の汚れであればリサイクルできるケースが多いですが、油汚れや食品カスなどが染み込んでいるものはリサイクルの効率を下げてしまいます。特に油などが付着した段ボールは、完全に洗浄するのが難しく、自治体によっては「燃えるごみ」として扱うよう指導されていることもあります。
プルタブ(缶のリング)は外さない
缶飲料のプルタブ(プルトップ)は、かつて外して分別する人もいましたが、現代のリサイクルルールでは外さずに缶本体と一緒に出すのが望ましいとされています。それは、外したリングがリサイクルラインの機械に詰まるなどのトラブルを引き起こすためです。
8地域差の注意点
日本では、自治体ごとにごみ分別の細かいルールが異なります。たとえば、紙類の収集頻度が「週1回」「月2回」といった違いがあるほか、プラスチックやペットボトルの扱いも自治体ごとに分けられています。
そのため、お住まいの市区町村が発行するガイドブックやウェブページを確認することが非常に重要です。
実際の出し方の例
古紙・段ボール
- 段ボールは折りたたんで平らに
- 紙類(新聞・雑誌・段ボール)は種類ごとに分けて束ねる
- 紙以外の異素材(ビニール・プラスチック)は取り除く
- ひもで十字に束ねるのが一般的なルールの例です。
プラスチック類
自治体では「プラごみ」として、容器包装プラスチックを別の日に収集する場合があります。プラスチックごみは清潔にして出すのが原則です。
まとめ:リサイクルの基本ルール
- 段ボールの金具は無理に外さなくてよい場合が多い
- ビニール・プラスチック類は取り除く
- プルタブは缶と一緒に出す
- 汚れがひどい段ボールは再生に向かない
- 自治体のルールを必ず確認する
これらのポイントを押さえることで、分別がぐっとラクになり、リサイクルの効率も高まります。ごみ一つひとつの扱いを丁寧にすることが、循環型社会の実現につながります。





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